Almost lost technologies

ここは昔の CPU を用いた工作記事を書くために用意しました。

μCOM-16 CPU ボード - 概説

TMS9900 の方はチェックをボチボチやっているところで、こちらの方の話もボチボチ進めておきましょう。

まず、WEB探してもデバイスの写真すらない状況ですが、簡単に紹介しておきましょう。まず、この μCOM-16 は以下の4種のチップをファミリにもちます。

  1. μPD756D: CTL - マイクロプログラムのシーケンサ
  2. μPD755D: RALU - レジスタ+ALU
  3. μPD760D: DALU - 10進演算ALU
  4. μPD754D: メモリ・データレジスタ

この中で必須なのは μPD755D と μPD756D です。μPD754D はほぼ 74LS374 のようなデバイスで、3電源を要求し、わざわざ使うものでもないでしょう、μPD760D は一種のアクセラレータ回路です。

で、現時点で手に入る可能性のない訳ではない資料で、工作の時に必須または役に立ちそうなものは、私の知る限りでは以下4 種でしょう。

① 雑誌解説記事

鈴木、後藤、「アークテクチャの可変構造性を追求したマイクロコンピュータ」、日経エレクトロニクス 1976.1.26 pp.66 - 88

これは詳しいです。大体の概要はこれ読むだけで分かるでしょう。他にも「電子展望」誌にも記事がありますが、ページ数が少なく (電子展望は広告が少なかったが) 未確認ですが探すことはないかと思います。

NEC 電子デバイスデータブック 半導体編1977

電気的特性はここにしか書かれていません。必須。但し -1 のサフィックス不明です。

NEC, μCOM-16 ユーザーズ・マニアル IEM-550A

NEC, μCOM-16 概説 IEM-516C

一応③が必須ですが、④と見比べると誤記+④にはPLAマップがあるので両方必要かな。以前に NEC から頂いたものです。

基本的な動作としては、CTL で 10bit address からマイクロコード 1024W x 32bit を読んで二回に分けて RALU とCTL に送り込んで、RALU で命令の内容を計算し、CTL で次アドレスを計算する、の繰り返しです。一回マイクロ命令を実行するのに 1.4μS かかり、通常のマクロ命令でも10マイクロ命令ぐらいはかかるので、早くはありません。前述の雑誌記事では、NOVAと不明のアーキテクチャ (たぶんNEC 3200と推定) をエミュレーション、NOVAでの一命令実行で 12~30μS とあります。

今回はここまで。